チーズの歴史は、紀元(きげん)前3000年ころの遺跡(いせき)から発掘(はっくつ)された遺物(いぶつ)が、チーズだとわかったことから、5000年前までさかのぼります。また、紀元前後の凍(こお)ったチーズがそのまま発掘されています。
西アジアの遊牧民族(ゆうぼくみんぞく)が、チーズを加工(かこう)する技術(ぎじゅつ)を発明したと考えられています。それは、牛乳を羊の皮袋(かわぶくろ)で発酵(はっこう)させ、干(ほ)してかためただけのもので、素朴(そぼく)なチーズができました。現在も、その技術は、シルクロードぞいの民族に受けつがれています。
西アジアでチーズが発明され、トルコ、ギリシアを通りイタリアへチーズをもたらす(紀元前200年代)。
南アジアでは、チーズは発明されてすぐに伝わったようです。現在でも盛んに使用されます。
モンゴルには遊牧民によって、チーズが紀元前200年代には伝わっていました。中国へも同じ頃伝えられたようです。
蘇は古代のチーズといわれています。日本には仏教(ぶっきょう)といっしょに伝わり、聖徳太子(しょうとくたいし)も蘇を食べたと考えられています。
蘇はとても貴重(きちょう)な薬の一種(いっしゅ)と考えられていました。 蘇は心臓(しんぞう)や肺(はい)などの五臓(ごぞう)のはたらきを助け、大腸(だいちょう)の動きを活発にし、口内炎(こうないえん)などにもよくきくと考えられていました。
蘇の作り方にはいくつかあります。生蘇は、牛乳を鍋(なべ)で、水分がなくなるまで、まぜながらじっくりにつめます。につめたものを型(かた)に入れてかためます。シンプルな食べ物ですが、ほんのり甘味(あまみ)があります。
ヨーグルトの起源(きげん)は、はっきりはしませんが、紀元前10000年から8000年ころにかけて、メソポタミアで羊、山羊(やぎ)が家畜(かちく)化され、その乳の保存(ほぞん)から発酵技術(はっこうぎじゅつ)が生まれたと考えられています。その発酵技術が文明の広がりとともに世界各地へ伝えられ、その土地の風土に適(てき)した色々な発酵乳(はっこうにゅう)が生まれたと思われます。
700年代ころ、トルコ、インドなどで、それぞれの土地に応じた乳製品(にゅうせいひん)が作られたようです。古代中国でも「酪(らく)」というヨーグルトの元になる乳製品が作られ、それが奈良時代の日本に伝わったと、考えられます。
日本では、「大宝律令(たいほうりつりょう)」のなかに、農民に、牛乳を供出(きょうしゅつ)させる命令が書かれています 。この時代から、日本でも「蘇」というバターに似(に)た乳製品が作られるようになったのでしょう。
地方によって、ヨーグルトの出来上がりは少しずつ異なります。たとえば、水牛の乳は牛乳に比べて脂肪(しぼう)の割合が多いので、濃(こ)いヨーグルトになります。表面にクリームの層が出来、その部分もおいしいのです。
| 地方の名前 | 「ヨーグルトの名前」 | 使われる乳のタイプ |
|---|---|---|
| 南アジア | 「ダヒ/カード(インド/パキスタン)」 | 牛乳、ヤギ乳、水牛乳 |
| ブルガリア | 「キセロ・ムリャコ」 | 牛乳・羊乳 |
| 西アジア | 「レーベン」 | 牛乳・ヤギ乳 |
| トルコ | 「ヨウルト」 | 牛乳・ヤギ乳・羊乳 |
| 中央アジア | 「クーミス」 | 馬乳・らくだ乳 |
| モンゴル | 「アイラグ」 | 馬乳 |
| 日本・中国・朝鮮半島 | 「ヨーグルト」(日本) | 酪 |
旧約聖書(きゅうやくせいしょ)では、モーゼがヨーグルトを最高(さいこう)の食品であるいったことが書かれています。
イスラム教でも病気の予防(よぼう)に用いたという記録(きろく)があります。
仏教(ぶっきょう)では、お釈迦(しゃか)さまが「乳から酪、酪から蘇、蘇から醍醐(だいご)をだす。醍醐が最高のもの」と説いています。

牛乳を茶碗(ちゃわん)の中にいれ、ヨーグルトをくわえ、1週間おきます。
日本の昔のお菓子「蘇(そ)」のイメージに近く、すっぱい味がします。
牛乳でできたクリームチーズです。とてもすっぱく、パセリなどをまぜて食べます。
作り方は、牛乳をわかし、ヨーグルトを入れます。あたたかいところに3〜5時間おいて脱水(だっすい)すると完成(かんせい)です。
インド風の「飲むヨーグルト」で、ゴルともいいます。食事中は塩(しお)で味つけしたもの、食後は砂糖(さとう)やフルーツのソースで甘く味をつけたものを飲みます。日本の麦茶のように、あついインドの夏にはかかせない飲み物です。
インドのベンガル地方では、ルチ〈あげパン〉とドライカレーを食べた後、ラッシーを飲むのが朝食の定番になっています。
インドでよく使われるチーズをパニールといいます。バッファローのミルクを温め、そのタンパク質(しつ)や脂肪分(しぼうぶん)を集め、かためたものです。外見は日本の豆腐(とうふ)ににています。生で食べることはなく、あげたり、煮(に)たりして食べます。
普通(ふつう)のチーズは「発酵(はっこう)」という方法(ほうほう)を使って作りますが、パニールは発酵させずにつくります。また、パニールは、熱(ねつ)をくわえてもとけません。そのため、インドではカレーの具としてもよく使われます。