筆は、紀元(きげん)前210年ころ、秦(しん)の時代に、蒙恬(もうてん)という人が発明したと言われていましたが、最近(さいきん)、戦国(せんごく)時代の楚王(そおう)の墓(はか)から筆が発見されています。
日本には、中国から紙とともに伝(つた)えられました。正倉院(しょうそういん)に、日本に最古(さいこ)の筆として、天平(てんぴょう)筆(雀頭筆)がおさめられています。
木を燃(も)やして「すす」を集めて、※にかわや漆(うるし)をまぜてよく練り、棒状(ぼうじょう)に固(かた)めて作ります。 筆ができる以前は、竹や木をけずって先(さき)をとがらせたようなものに墨をつけて文字や線を書いていました。 エジプトの壁画(へきが)には、スタイラスという棒を使って文字を書く人がえがかれています。 これが現在(げんざい)の「ペン」の発明のヒントになったと思われます。
※にかわ:動物から取れるゼラチン質(しつ)の液体(えきたい)
中国では昔(むかし)から「よい仕事をするにはよい道具が必要」という考え方がありました。知識人(ちしきじん)たちは、自分たちの仕事道具である筆、墨(すみ)、硯(すずり)、紙のことを「文房四宝」とよんで、大切にしてきました。
「文房」とは、もともと文章を書く職業(しょくぎょう)という意味でした。現代(げんだい)では「書斎(しょさい)」という意味につかわれます。