当時の地方の農民たちは、戸籍(こせき)をもとに区分田(くぶんでん)とよばれる耕地をあたえられ、税として、地方の役所に稲(いね)をおさめるほかに、中央の政府に布(ぬの)や米などを物納(ぶつのう)しなければなりませんでした。また運脚夫(うんきゃくふ)として選ばれた農民が都(みやこ)まで集めた税を運ばなくてはなりませんでした。また税のひとつとして、地方の役所や、都で労働をかせられたり、兵役(へいえき)として都や西国で警備(けいび)をしたりしなくてはならないときもありました。なかでも公出挙(くすいこ)とよばれる制度(せいど)は、ほぼ強制的に農民に稲を貸(か)し付け、3〜5割の利率(りりつ)をとるもので、区分田だけでは生活することがむずかしくなっていました。
| 税の種類 | 品 目 | 負担内容 |
|---|---|---|
| 祖(そ) | 稲 | 水田一段あたり稲2束2把(2そく2わ)※1 地方役所の倉にたくわえられる |
| 庸(よう) | 布・米 | 正丁 一人につき布2丈6尺 次丁 1/2 中男 免除(めんじょ) ※2 都に運ばれる 納入(のうにゅう)時期は8〜12月 納税者の家から運脚夫がえらばれる |
| 調(ちょう) | 絹・布などの繊維製品 米・塩・水産物などの食品 鉄、鍬・銭その他 |
絹で納める場合:正丁一人につき8尺5寸 布で納める場合:正丁:2丈6尺、次丁:1/2、中男:1/4 |
| 雑徭(ぞうよう) | 労働力 | 正丁一人:年間60日以下、次丁:1/2、中男:1/4 国司による権限により、国府(地方役所)で労働 |
| 中男作物(ちゅうなんさくもつ) | 繊維製品、食品 | 中男が各種の産物を調達 |
| 公出挙(くすいこ) | 稲 | 利率3〜5割で稲を貸し付け 春米といって都に運ばれるが、大部分を地方の財源とする |
| 仕丁(しちょう) | 労働力 | 50戸から2人の割合 1年間都の役所での雑役 |
| 兵役(へいやく) | 労働力 | 1戸から1人の割合 地方の軍団で軍事訓練 軍団から選抜されて都での衛士や九州での防人 |
| ※ 1 | 収穫率の3% |
| ※ 2 | 正丁は21〜60才の男子 次丁は61〜65才の男子 中男は17〜20才の男子 |