唐草紋は、植物のつるのようにうねった線が、花や果物(くだもの)などの模様をまきこみながら、長くつながっていく模様です。
唐草紋は最初(さいしょ)にギリシャで生まれ、中央アジアで発展(はってん)し、600〜700年代ごろに中国・朝鮮(ちょうせん)の文化を取り入れて、いろいろな種類(しゅるい)ができました。日本には、仏教(ぶっきょう)にかんけいある模様として伝(つた)わりましたが、奈良(なら)時代には建築(けんちく)、家具、衣服などに、菊(きく)や牡丹(ぼたん)などの唐草模様がえがかれました。唐草紋は、さまざまな正倉院宝物にえがかれています。
唐花紋とは、花びらが四方八方に広がっている模様です。この唐花紋によって、大きな平面を模様でうめることができるようになりました。
正倉院の宝物には、奈良時代の日本にはいなかった動物がたくさんえがかれています。象(ぞう)や駱駝(らくだ)などの模様がえがかれているのは、シルクロードの動物たちが、美術品(びじゅつひん)や生活道具という形で日本まで伝わってきていたと言えます。
屏風(びょうぶ)に象がえがかれています。この屏風は日本で作られたもので、当時の日本人が伝聞(でんぶん)にもとづいてえがいたと考えられています。
らくだは碁盤(ごばん)や、琵琶(びわ)などにえがかれています。琵琶にえがかれた駱駝には、琵琶をひく外国風の人物が乗っていて、シルクロードの雰囲気(ふんいき)をとてもよく表しています。
孔雀は鏡(かがみ)にえがかれています。孔雀は中国や東南アジア・インドに生息していますが、サソリなどの害虫(がいちゅう)を食べることから、悪(あく)を退治(たいじ)するものとして信仰(しんこう)の対象(たいしょう)にもなっています。
獅子(しし・ライオン)は八角鏡(はっかくきょう)にえがかかれています。アフリカ・アジア・ヨーロッパ南部の広い地域(ちいき)に生息していて、その勇猛(ゆうもう)なせいかくから広い地域で守護神(しゅごしん)として信仰されていました。中国や日本においても仏教美術(ぶっきょうびじゅつ)のかざりのひとつになったりしています。
正倉院の宝物の中には、龍(りゅう)、麒麟(きりん)、鳳凰(ほうおう)などの空想上の動物もたくさんえがかれています。これらはおめでたい模様として、中国や日本の人々の間で大切にされ、天皇が使う道具の中にもたくさんえがかれました。
龍の模様は八角鏡(はっかくきょう)などにえがかれています。中国では、龍は青龍と呼ばれ、東の方角を守る霊獣(れいじゅう)としんじられていました。とくに、君主の象徴(しょうちょう)とされています。君主の冠(かんむり)、服、椅子(いす)、貨幣(かへい)などには、龍がえがかれています。龍はインドのヒンズー教の中では、蛇神(じゃしん)「ナーガ」とされていたりと、シルクロードぞいの国では、とても重要な神獣(しんじゅう)のひとつです。
麒麟は中国で龍、鳳凰、亀(かめ)とともに霊獣(れいじゅう)としてしんじられています。鹿(しか)の胴体(どうたい)、馬の足、牛の尾(お)を持ち、角があると言われています。麒麟は正倉院の物差(ものさ)しなどにえがかれています。
鳳凰も霊獣のひとつで、優秀な国の支配者があらわれるときに出現(しゅつげん)するといわれています。鳳凰も正倉院の物差(ものさ)しなどにえがかれています。
花鹿は、頭に大きな花をさかせたような角をつけた鹿で、唐の人々に愛されました。元々中国から北方地方にあった図柄(ずがら)で、中国の文化をよくあらわす動物です。