カイコを育てるとき、いちばん大切なことは掃除(そうじ)です。脱皮(だっぴ)のあとや糞(ふん)をそのままにしておくと、よくありません。こまめに掃除をして、きれいな紙の上で育てましょう。
今回は、カイコを育てる箱に紙をしいて、その上にラップをしました。
ラップの上にカイコをのせ、えさをあたえます。カイコの糞が多くなってきたら、新しいラップに新しいえさをおき、そこへカイコをうつします。そして、古いラップごと捨(す)てます。こうすると、掃除もらくで、箱もきれいなまま、なんども使えます。
カイコは生きものですから、病気にかかることもあります。カイコの病気についても勉強しておきましょう。
カイコの病気には、ウイルス、菌(きん)、原虫、昆虫(こんちゅう)やダニの寄生(きせい)などによるものがあります。
この病気になったカイコは発育がおそくなり、食欲がなくなって、「眠(みん)」の前や脱皮のあとに死んでしまうことが多い。5齢幼虫や蛹、成虫のときに発病すると、たくさんの黒いはん点が皮ふにできることがある。
この病気をふせぐために、卵をくれる農協(のうきょう)や蚕種(さんしゅ)業者さんは、母蛾検査というきびしいチェックをしている。
寄生されたカイコは、食欲や動きがなくなり、気門のまわりに黒いはん点ができる。カイコが蛹になってから、このハエの幼虫が外にはい出てくるため、ほとんど成虫になることはできない。
病気になったカイコを治すことはむずかしいので、カイコが病気にならないように育ててあげましょう。
そのために…
もし病気になったり、死んでしまった幼虫がいたら、すぐに捨ててください。そのままにしておくと、まわりの幼虫まで病気にかかってしまう危険(きけん)があります。
殺虫剤や農薬がついたクワの葉をあたえたり、カイコを育てている近くで蚊取り線香やゴキブリ用の殺虫剤を使わないようにしましょう。
カイコの主なえさはクワの葉です。くわしくは“エサについて”のところを見てくださいね。
昔は、誰(だれ)でも蚕(かいこ)を育てていいというわけではありませんでした。
平成10年4月1日から、自由に蚕を育ててもいいということになりました。しかし、産まれた蚕の卵からもう一度蚕を育てるには、とても注意(ちゅうい)しなければなりません。お母さんである蛾(が)が健康(けんこう)であればいいですが、病気に感染(かんせん)していると卵にもうつってしまいます。そして、その卵から産まれた幼虫(ようちゅう)は病気になり、それがどんどん他の蚕にもひろがってしまうからです。幼虫のうちにほとんどの蚕が死んでしまうほどの恐ろしい(おそろしい)病気です。
自然界(しぜんかい)には、蚕の病気の原因(げんいん)になる微粒子病胞子(びりゅうしびょうほうし)というものを持った虫がたくさんいます。一度、この病気に感染すると、防ぐ(ふせぐ)ことは難しいので、どんどん広がっていくかもしれません。そうすると、もう二度と蚕を育てることができなくなってしまいます。
人間にはうつりませんが、蚕にとってはとても恐ろしい伝染病(でんせんびょう)なのです。イタリアや、フランスなどでは、この病気が広がり、養蚕業(ようさんぎょう)が、全滅(ぜんめつ)の状態(じょうたい)になったこともあります。
お母さんである蛾を検査(けんさ)して、病気であるかどうか調べることはできます。しかし、この検査をするにはたくさんの経験(けいけん)と技術(ぎじゅつ)が必要です。私たちではかんたんに検査できないというわけです。